地元に愛され、世界に注目される洋菓子店の店主‐野中康則さん

山鹿市鹿校通にある洋菓子店「パティスリーNONAKA(のなか)」-昨年度、全国の栗産地から集まった人気No.1のモンブランを決める大会「全国モンブラン大会2023」で華々しい優勝を遂げたことでも有名な店舗である。店のドアを開くと、童話の世界のような可愛らしい手作りの装飾や、甘い香りが漂う焼き菓子やケーキが私たちの視界に入り込んできた。そして、店のホームページや新聞等の記事でお見掛けしたとおりの優しい笑顔で、店主の野中康則さんやそのご家族が私たちを温かく迎えてくれた。

開業20周年を迎えた「パティスリーNONAKA」

2024年8月で、開業20周年を迎えた「パティスリーNONAKA」とその店主の野中康則さん。

鹿本農業高校食品科学科を卒業し、県内の大手菓子メーカーに就職するも、30歳頃に生まれ育った地元で洋菓子店を開業したいという思いを抱き、2004年8月に山鹿で「パティスリーNONAKA」をオープンした。

オープンから現在までの20年の道のりは決して平坦なものではなかったという。数年前には近隣に大手洋菓子店が進出した。全国モンブラン大会での優勝を契機に、現在では新規の利用客も大幅に増えているが、20周年を迎えることができたのはご愛顧くださる常連の利用客の存在や家族の支えが大きいという。 「父がやってきたことを自分たち若い世代が受け継いでいきたい。」と語る息子さんをはじめ、Instagram等のSNSを活用したお店の情報発信を手伝う娘さんの助力は、野中さんを心身共に支える重要なファクターであるに違いない。また、これまで体調を崩さずにほとんど店を閉めることなく、営業を続けることができたことも20周年を迎えることができた秘訣だろうと少し照れ臭そうに野中さんは語った。

パティスリーNONAKAの外観
店主とそのご家族

人気No.1のモンブランを作り上げるまでの道のり

店内には、誇らしげに優勝トロフィーや表彰状、大会を取り上げた新聞記事が綺麗に飾られている。山鹿市内で開かれた予選会-山鹿和栗スイーツコンテスト-を勝ち抜き、昨年の9月末に茨城県笠間市で開催された全国モンブラン大会で優勝を果たした。審査員5名が、全6産地のモンブランの「味」と「工夫・こだわり」を採点し、No.1モンブランに選ばれたのが「パティスリーNONAKA」の「バラのモンブラン」であった。

予選会が実施される以前から、モンブラン自体は作り続けてきたという。見た目にもこだわり、綺麗なバラの花びらをかたどったモンブランは、予選会で最優秀賞を受賞した。その後、全国大会に向けて、モンブランの土台に鹿北産の紅茶を使用するなどの改良を行い、全国大会に出品。鹿北産の紅茶の含有率をどれくらいにするか何度も話し合い、試行を重ねたという。その結果、見事堂々の全国1位に輝いた。

バラのモンブランと優勝トロフィー

バラのモンブランを作ってくださる野中さん

バラのモンブラン、全国大会優勝から1年

優勝から約1年が経過。お店を訪れる利用客の中には沖縄や東京、海外から来たという人も居り、全国や世界に「山鹿」や「パティスリーNONAKA」の名が拡がっているのを実感しているという。 「このモンブランを食べに山鹿に来たと言ってくださる方や、それ目当てでなくとも山鹿を訪れた理由の一つにモンブランがあることが非常に嬉しい」と笑顔で話す野中さん。その表情からは、地元山鹿への愛着や長年培ってきたケーキづくりに対する思いが強く伝わってくる。

地域への想いを語る野中さん

お菓子を通して山鹿を知ってもらいたい

パティスリーNONAKAではこれまで焼き菓子や洋菓子のネーミングに山鹿の地名や地域資源などを取り入れてきた。「岳間渓谷の石」や「不動岩シュー」「岩野川の軽石」など、つい名前の由来を調べたくなるようなネーミングである。

「フロランタンやマドレーヌ、メレンゲクッキーなどのお菓子は正直どこのお店も作っているし、どこにでもある。だから、その名前に山鹿に関わるものを入れ、手に渡った人に山鹿を知ってもらいたい。」と語る。今後もそれは続けていきたいという野中さん。生まれ育った地域である山鹿市にお菓子づくりを通して貢献し、その魅力を広めていきたいという思いが込められている。 「イベント時だけでなく、お菓子を目当てに1年間山鹿に足を運んでもらいたい。そんな店づくりをしたい。」という野中さんの思いは、これからも地域に根ざしたお菓子づくりを続けていく原動力となるだろう

くまもと山鹿和栗スイーツフェアへの思い

今年も9月1日から11月30日まで開催されている「くまもと山鹿和栗スイーツフェア」に参加している。第1回目のスイーツフェアから参加しており、台風の影響で栗のペーストが確保できずに参加できなかった年を除き、毎年参加しているという。

例年、栗が旬を迎える秋の時季に開催されてきたが、今年度は5月から6月にかけて「山鹿スイーツフェアの見本市」が開催された。このような取り組みのように、季節を限定せずに1年間を通して、スイーツを通して、より多くの消費者へ山鹿市の魅力を発信したいという。

今年もパティスリーNONAKAの出品を楽しみにしている消費者も多いであろう。2024年度は、「山鹿栗のモンブラン」を注目商品として、全国モンブラン大会で優勝した「バラのモンブラン」との食べ比べセットが提供されている。是非、お試しあれ!

----------------関連イベント---------------

11/16(土)全国モンブラン大会開催

詳しくは、▶こちら

山鹿ピックアップ

西日本一の生産量を誇る栗の産地・山鹿
米米惣門ツアー
てくてく山鹿
山鹿キャンプガイド
やまが温泉郷