山鹿市の西北へ約5キロメートル。ゆったりとした時間が流れ温泉情緒あふれるいで湯の里「平山温泉」。
その起源は、延暦年間(8世紀)とも寿永年間(12世紀)ともいわれ、古い歴史を誇ります。その昔、この里一帯に疥癬という皮膚病が大流行し、里全体が衰微し生活ができなくなりました。
里人が集い、阿蘇大明神に祈りを捧げると、一夜のうちに天地鳴動と共に、高い山が開き、深い谷を埋めて現在のような平坦地ができ、そこから熱いお湯が湧き出たのです。その湯を浴びた里人たちの皮膚病がたちどころに治ったという話が残っています。平山という地名も、この言い伝えから生まれたといわれています。この辺りの温泉では珍しく硫黄分が入っているので、加藤清正公も汗疹を治しに通ったと伝えられています。現在は、旅館や温泉センターが軒を連ね、全国でも屈指の療養温泉地として県内外から多くの湯治客が訪れています。
また、とろりとしたお湯は湯あたりがやわらかく、上がった後は肌をしっかりと落ち着かせ「美肌の湯」としても有名です。