「ふるさと納税」山鹿市のおすすめ返礼品紹介②〜和紙工芸を届ける「ヤマノテ」〜

山鹿の伝統から生まれるもの

山鹿灯籠師である中村潤弥さんの工房と、潤弥さんの妻・京(みさと)さんが経営するショップ「ヤマノテ」。

地元で生まれた手仕事のものを中心に、旅先で出会った全国各地の「自分で使っていてよかったもの、自分で見つけたもの」がセレクトされています。

ここでは、山鹿市のふるさと納税の返礼品にも出品されているインテリアモビール「TouRou」やアロマディフューザー「かぐわし」など、山鹿灯籠と同じ和紙と技法を生かして作られた商品も販売されています。

今回はその和紙工芸「山鹿灯籠」の裏側について京さんにお話を伺いました。

一番の課題は山鹿灯籠が和紙だと知られていないこと

和紙で美しい灯籠や神社の造形を生み出す灯籠師の技法は、見るものが心奪われる、驚くほどの精巧さを基軸としてきました。

ですが現代において山鹿灯籠を語る上で一番の課題は「山鹿灯籠が和紙だと知られていないこと」だといいます。

和紙工芸の良さを伝えていくためにも、まずはこの部分をどうにか伝える方法はないか、そこから始まって1年目にインテリアモビール「TouRou」が生まれました。

デザイナーや職人が一体となって生み出したインテリアモビール「TouRou」は、吊り下げタイプとスタンド式があり、空間に独特な調和をもたらす立体デザインと、特に回転軸の動きで演出される佇まいは、たちまち評判となっていきました。

■「かぐわし」誕生について

「モビールはどちらかというと高額な商品なので、2弾目のコンセプトはもっと身近な商品で、値段もお手頃で、なるべくリピートしてもらえるようなものが必要ではないかということで、アロマディフューザーに行き着きました」

それが「かぐわし」です。

色のついた香りを吸う部分が和紙でできており、和紙の風合いや独特の丸みを帯びた形状が既存商品にはない上質さを醸し出します。

この商品が山鹿灯籠を知るきっかけになればとの思いが込められています。

県外や観光客の方はもちろんですが、地元の方にも新築祝いなどに選ばれることも多く、2カ月に1回オイルがなくなるので、詰め替え用のニーズとともに長く愛用できるのも魅力です。

特に曲線の技術が難しく、灯籠師の技が詰まっている「かぐわし」。

夫の潤弥さんが夏の山鹿灯籠まつりが終わってから、期間を集中して制作にあたります。

灯籠師である潤弥さんが和紙の形を作り、京さんがそれ以外の商品としてのブランディングを担当し、色やパッケージも含め、お互いによく話し合いながらバランスや細部を詰めていきます。

使用する和紙は山鹿灯籠と同じ八女産のもの。潤弥さんとデザイナーが色について打ち合わせたあとに、和紙に色を印刷しますが、思った通りの色を出すのが難しく、和紙の繊維の状態やプリンターの調整など手間暇かけて色が再現されていきます。

奉納と「山鹿縁起飾り」

「かぐわし」の次に生まれたのが「山鹿縁起飾り」。

山鹿灯籠は頭に掲げる「金灯籠」のイメージが強いので、本来は神社への奉納品であるという背景を伝えたくて生み出されました。

和紙を束ねて結ぶ「結い」の技法を用い、新しいお祝いの形として一つ一つ思いを込めて作られています。

「商品を通じた山鹿灯籠の伝え方を大切にしたいので、例えば結納に使うために若い男性がこの縁起飾りを選んでくれたりと、地元の方に贈り物として認知されていくのは嬉しいですね」

他にも、山鹿灯籠の制作体験を自宅でも楽しんでもらえるように「山鹿灯籠 制作体験キット」も販売されています。

「金灯籠」の先端部分“擬宝珠”を制作できる「擬宝珠ランプ」や「ドライフラワーベース」など、難易度別に職人の技を体験することができます。

伝統とは昔のものを作り続けることではなく、その時代にあったものを作り出し、世に送り出していくことだと京さんはいいます。

いい意味で慣例に縛られない動きが大切で、山鹿灯籠しか売れるものがなかった時代から、若い方が興味をもってくれるアイテムが生まれ、やがて新しい工芸品の形になっていく。

お話を通じて、今まさにこの数年「新しい伝統が生まれている」そんなタイミングのような気がしました。

紹介した商品は、山鹿市のふるさと納税の返礼品にも出品されています。

詳しくは、①ふるさとチョイス(外部サイト:民芸品・工芸品一覧)②楽天ふるさと納税(外部サイト:民芸・工芸一覧)をご覧ください。

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